♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,無理数の独立のバックアップファイルです. ♫♣ 元の教材が機器や通信トラブルで読めないときに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません. • の値 • 根号計算 • 分母の有理化 • 無理数の独立 • 対称式の値(無理数) • 絶対値の入試問題 • 文字式を含む根号計算 • 二重根号 • センター・共通・数と式 • 根号計算の入試問題 《解説》
(定理1)
が有理数のとき, なお,この関係はでなくても、など,平方数でない数の根号に関しても成り立ちます. が有理数という条件がなければ,[→]は成り立ちません.
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(証明)
[←] だから,明らか. [→] まず,を示す: のとき,と変形でき、左辺は無理数,右辺は有理数だから矛盾. 背理法により,が示される. 次に,を示す: より, |
(定理2)
が有理数のとき, などでも成り立つのは定理1のときと同様です. |
(証明)
[←] 明らか. [→] となり,が有理数であることから、 定理1により, ゆえに, |
(余談):定理1は定理2において,c=d=0とすれば得られます.つまり,定理1は定理2の特別な場合にすぎません.しかし,上に示したように,定理1から定理2が示されるので,定理1は定理2と同値です.実際の問題を解くときには,どちらの形で使ってもかまいません. 例 のとき,有理数の値を求めなさい. 定理2の形で使うときは:・・・(答) 定理1の形で使うときは:より ゆえに・・・(答) このように,定理1と定理2とは区別を意識せずに使うことができます.
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《問題》---背理法による証明の練習 |
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1
以下の問に答えよ.ただし√2,√3,√6が無理数であることは使ってよい. (1) 有理数p,q,rについて,p+q√2+r√3=0ならば,p=q=r=0であることを示せ. (「1999年度京都大学入試問題」の一部引用) |
p+q√2=-r√3 と変形
両辺を2乗すると,p2+2pq√2+2q2=3r2 ここでpq≠0と仮定すると √2=(3r2-p2-2q2)/2pq 左辺は無理数,右辺は有理数となり矛盾 ゆえにpq=0がいえる. ア) p=0のとき, q√2+r√3=0の両辺に√2をかけて 2q+r√6=0 ここでr≠0と仮定すると√6=-2q/r
以上より,p=q=r=0 以上より,p=q=r=0 |
2
a,bを整数,u,vを有理数とする. u+v√3 が x2+ax+b=0 の解であるならば,uとvは共に整数であることを示せ.ただし√3が無理数であることは使ってよい. (「1999年度京都大学入試問題」の一部引用)
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x2+ax+b=0 の解は,だから
a2-4b=3k2(a,b,kは整数)のとき,すなわち ・・・(1)のとき aもkも2の倍数になることを示せばよい. a2-3k2=4b(a,b,kは整数)が成立するかどうかを調べる. ア)a=2m,k=2n+1のとき a2-3k2=4m2-3(4n2+4n+1) =4N-3となって成立しない.(Nは整数.以下同様) イ)a=2m+1,k=2nのとき a2-3k2=4m2+4m+1-3(4n2) =4N+1となって成立しない. ウ)a=2m+1,k=2n+1のとき a2-3k2=4m2+4m+1-3(4n2+4n+1) =4N-2となって成立しない. 背理法により,a=2m,k=2nがいえる. (1)によりu,vは整数となる. |
3
a,b,cが有理数で,a√2+b√3+c√6=0ならばa=b=c=0といえるかどうか調べなさい.ただし√2,√3,√6が無理数であることは使ってよい.
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a√2+b√3=-c√6の両辺を2乗すると
2a2+3b2+2ab√6=6c2 ここでab≠0と仮定すると √6=(6c2-2a2-3b2)/2ab 左辺は無理数,右辺は有理数となり矛盾 ゆえに,ab=0がいえる. ア)a=0のとき b√3=-c√6よりb=-c√2 c≠0ならば√2=-b/c
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